陰洗ボトル不要、利用者様から目を離さずにすむ…ZA FREEがトイレ課題を解決!ストレスフリーな排泄ケアを可能に

はるかぜガーデン桂川

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導入前の課題

陰洗ボトルの準備・片付けに手間と時間がかかり、スタッフに大きな負担。
ボトルの補充などで利用者から目を離す必要があり、事故への不安や限られた時間の中での行き届かないケアに対してスタッフの精神的なストレスが大きかった。

導入後の効果

陰部洗浄にかかる時間が大幅に短縮され、業務効率が飛躍的に向上。
利用者のそばを離れずに快適なケアができるため、スタッフと利用者どちらの満足度も上げることができた。

 

古都・京都の西部に位置し、はるか昔は平安貴族の別荘地として名をはせた風雅な地である「桂」。

その地の名を冠した「はるかぜガーデン桂川」は、小規模多機能居宅介護、グループホーム、介護付き有料老人ホーム、そして保育園までもが一体となった複合型施設です。2025年の年初、ここの介護現場における排泄ケアに、ある劇的な改善がもたらされました。

その立役者は、人工肛門や人工膀胱などのストーマをもつオストメイトの方向け製品の開発から始まり、介護現場に寄り添う製品を世に送り出してきた「さつき株式会社」のトイレケアシステム「ZA FREE(ザフリー)」です。

今回は、導入を主導した施設長の外山拓也様に、導入までの道のりと、現場にもたらされた大きな変化について、詳しくお話を伺いました。

 

ボトル準備の往復で費やす時間と手間がストレスに

はるかぜガーデン桂川 外山施設長

 

―まず、ZA FREEを導入される前、トイレケアに関してどのような課題をお持ちでしたか?

 

外山様: 私たちが解決したかったのは、オストメイトの方に限定されない、日々の高齢者介護における排泄ケアの課題でした。 トイレに課題がありながらも、ご自身で歩ける方には、自立のためリハビリパンツを使ってもらいます。しかし、間に合わず失禁されてしまう場合も多くあり、その場合は、陰部やお尻をきれいに洗浄する必要があります。

洗浄の際、従来は「陰洗ボトル」と呼ばれる、お湯をシャワー状に噴射させて陰部を洗う洗浄用ボトルを使っていましたが、これがなかなかの曲者なんです。1本にお湯が500ml程度しか入らないので、一度のケアで何度もボトルを準備し直す必要がありました。

介護報酬が改定され、以前は3人で回していた業務を2人で、というように効率化が求められています。そんな中、スタッフがお湯の準備をする時間は大きなロスです。

そして何より、ボトルを準備している間に「利用者様から目を離す」時間が生まれます。その間、スタッフはご本人が気持ち悪さから汚れた箇所に触れてしまったりしないか、何か思いがけない事故が起きたりしないかと、心配でたまらないんですね。

その不安と焦りは、日々の業務の中で見過ごせないストレスになっていました。


―時間的な非効率さと、精神的な負担の両方があったのですね。


外山様: まさにその通りです。

介護の仕事に従事しているスタッフはみんな、「関わる方に良くなってほしい」「良いケアがしたい」という、温かい思いやりの気持ちを持っています。しかし、時間や人手が足りないことで「本当はもっとじっくりケアしてあげたい」という思いを飲み込んで、手早く終えなければならない場面がある。

これは本人たちにとって、一種の罪悪感やジレンマになるんです。

そうした日々の小さな「プチイラ」とも言えるストレスを解消し、「排泄ケアをもっと質高く、そしてスタッフの負担も軽くできるものはないか」と、常に探していました。


―今回はグループホームでZA FREEを導入されました。ここはどのような方が生活されている場所なのでしょうか?

実際にZA FREEを導入したトイレ


外山様: グループホームはワンユニット9名様の「シェアハウス」のような形で、3ユニットで合計27名様が生活されています。

生活されている方は本当に様々です。お一人での生活が難しくなった方、認知症の進行でご自宅での生活が困難になった方、あるいは入院をきっかけに認知機能が低下してしまった方など。軽度の方から重度の方まで、幅広い方がいらっしゃいます。

だからこそ、各お部屋にトイレがある有料老人ホームとは違い、皆さんが共同で使うトイレにZA FREEを設置するのが最適だと考えました。ユニットごとに1台ずつ、計3台。スタッフが管理できる環境なので、認知症の方による誤操作などのリスクも防げますし、効率的です。

 

ZA FREEなら陰部洗浄にかかる時間が10分から2分に


―数ある製品の中から、ZA FREEを選んだきっかけと決め手は何だったのでしょうか?


外山様: そもそもの出会いは、施設に日々大量に届くFAXの中の1枚でした。普段から、福祉関係の展示会には足を運ぶなど、トイレケアに限らず福祉用品の情報収集はしていましたが、なかなか「これだ!」という製品には出会えずにいました。しかし、ZA FREEの案内を見た瞬間は、まさに「一目惚れ」でしたね。

「これこれ!こういうトイレがあったらいいなとずっと思っていた!」と。

決め手は、機能が我々の課題に完璧に応えてくれたことです。まず、便座が「前広便座」になっていること。

通常の便座と比べ、前方がプラス約7cmも広く開いているんです。このスペースがあるおかげで、介助者が無理な姿勢をとらずに身体を入れられます。

ZA FREEのシャワー付便座でスタッフがケアする様子


そして何より、その場で温水が出る「ケアシャワー」です。これで陰洗ボトルを持って何度も往復するという、一連の作業がすべて不要になります。

ボトルの準備から陰部洗浄、片付けまで10分程度かかっていたところを、2分程度にまで短縮できると計算しました。1日に何十回もある仕事ですから、ここを5分の1に短縮できれば効果は絶大です。

また、シャワー使用時に便器の中を照明が照らしてくれるので、しっかり見て洗い残しなく洗浄できることも素晴らしいと感じたポイントでした。

まさに、私たちが抱えていた課題をピンポイントで解決してくれる製品でした。「これなら、スタッフの負担を減らしながら、もっと質の高いケアが実現できる」と確信し、すぐに導入に向けて動き出しました。


シャワーは簡単操作、便座内にはライト付き


導入の壁となるコスト問題を「業務改善助成金」で突破


―導入へのハードルは何があり、どのように乗り越えられたのですか?


外山様: ZA FREEは大がかりな工事が必要なものではなく、リーズナブルな価格であると感じたものの、やはり一番のネックはコストでした。

いくら良い製品でも、施設の予算には限りがあります。しかし、「数年で陳腐化するものではなく、長く使い続けられるZA FREEのような設備への投資は優先すべきもの」と考え、「なんとか導入できる道を」と補助金の活用を模索しました。  

介護系の補助金に限らず視野を広げて探した結果、「業務改善助成金」という制度を見つけました。これは、生産性を向上させ、賃上げに取り組む事業者を支援するものです。

「排泄ケアにかかる時間を大幅に短縮できるZA FREEの導入は、施設の生産性向上に直結する」というロジックで申請したところ、無事に採択されたのです。

介護業界に特化していなくても、視点を変えれば活用できる制度がある。この発見は大きかったですね。


「施設長ありがとう!」スタッフの絶賛が、導入成功の証


 

―実際にZA FREEを導入されて、現場のスタッフの方々や利用者様の反応はいかがでしたか?


外山様:スタッフからはもう大絶賛の嵐です。

「施設長、本当にありがとう!」「これすごくいい!」と非常に喜んでもらえましたね。狙い以上の効果でした。

ボトルの準備や片付けがなくなったことで生まれた時間の余裕はもちろんですが、私が見る限り、スタッフが一番喜んだのは、「利用者様から目を離さずにケアを完結できる安心感」だったように思います。「待っててね」が通用しない利用者様のそばを離れる不安から解放されたことは、精神的に非常に大きかったようです。

時間に追われるストレスから解放されたことで、「私たちが本当にやりたかった、丁寧なケアができる」という、スタッフのやりがいや満足度の向上にも繋がっています。

利用者様からも、「ありがとう」というお声をいただくことが増えました。特にZA FREEは温水が出るので、冬場でも「冷たくなくて気持ちいい」と、本当に喜んでいただいています。施設全体にとって非常にポジティブな効果がありました。

また、導入工事が大掛かりでないのも魅力です。

私たちの施設では、3台の設置がわずか1時間ほどで完了しました。断水なども必要なく、日常業務への影響が最小限だったのもありがたかったですね。


介護現場の「当たり前」を変える価値ある一手

外山施設長とZA FREE社員


―最後に、ZA FREEの導入を検討されている他の施設様へ向けて、メッセージをお願いします。


外山様: ZA FREEは、基本的にすべての高齢者施設におすすめできますが、特に私たちの施設のような、スタッフの管理下で共同トイレを運用しているグループホームやデイサービスで、最も安全かつ効果的に価値を発揮できると感じています。

今でも多くの施設で「陰洗ボトルでの洗浄」が当たり前だと思います。

しかし、その「当たり前」を一度見直してみることで、現場は劇的に変わる可能性があるということを、私たちの事例を通じてお伝えできたら嬉しいですね。スタッフの負担が減り、利用者様にもっと快適なケアを提供できる。

私たちの施設にとっては、本当に価値のある一手でした。

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